先日の相談事例です。子どもがいないご夫婦の自宅の売却相談でした。
ご夫婦とも80代、90代の高齢者で、高齢者専用のケア付きの住宅に引っ越したので、住んでいた住宅を売却するお手伝いをいたしました。
ご相談をうけて、これは急がないと大変な事になると正直あわてました。
お子さんがいないご夫婦の場合、どちらかが亡くなった場合、その親も亡くなっていれば法定相続人は亡くなった方のご兄弟にまで及びます。
まして80.90代のご夫婦のご兄弟と言えば、同じくご兄弟も高齢者でいらっしゃるでしょう。
もし、今売ろうとしている不動産の名義人が亡くなった場合、売却ができなくなってしまう可能性もあります。
亡くなった方のご兄弟が認知症だったり、その兄妹もすでに亡くなっていれば甥や姪にまで実印をご用意いただかなければ不動産が売れなくなってしまいます。
家族関係などの聞き取りをさせていただき、早急に購入者がみつかり手続きをしました。
そして、これだけでは終わりません。
必ず「遺言書」をつくってもらうようお勧めしました。
それもご夫婦共お互いにです。
遺言者の全財産を○○○へ相続させる。という内容のものです。
一番確実なのは公正証書遺言です。
生前に相続対策をきちんと済ませ、安心して元気で長生きをしていただく事、これが一番です。
田中(相続診断士)