今日は、物件購入を検討中のお客様からよくある質問
『契約日って、具体的に何をするのでしょうか?』について
お答えしたいと思います。
不動産売買は一生のうちにそう何度もあるものではないので、
多くの方は初めての経験で、とても緊張していたり、必要のない心配をされています。
契約当日の流れを事前に把握しておけば、
心にゆとりができて、落ち着いて契約書の内容を確認することができますね。
■同席する人は?
まずは、登場人物からご説明します。
一般的に、契約日に立ち会う登場人物は、
売主さま、買主さま、宅地建物取引士です。
不動産会社は2社になることが殆どなので、
売主さま側の不動産会社から1名、買主さま側の不動産会社から1名
宅地建物取引士が同席し、
重要事項説明と売買契約書の読み上げをします。
■重要事項説明書
契約内容の説明の前に、宅地建物取引士より行われるのが
『重要事項説明』です。
取引士が2名の場合はどちらかが代表して説明をします。
ちなみに、この重要事項説明は、取引士が買主さまに
この不動産の重要な事項について説明するものなので、
売主さま不在のまま行われることもよくあり、
売主さまは重要事項説明が終わるころの登場になります。
この重要事項説明では、以下の内容を説明します。
・購入しようとしている不動産の所在地や部屋番号といった不動産の表示
・売主の氏名や売買契約締結時における第三書の占有の有無といった売主の表示と占有に関する事項
・登記簿に記載された事項や都市計画法、建築基準法等の法令に基づく制限の概要
・飲用水、電気、ガスの供給施設および排水施設の整備状況や石綿使用調査の内容といった取引の対象となる宅地または建物に直接関係する事項
・売買代金および交換差金以外に売主・買主間で授受される金銭の額
・契約の解除に関する事項や損害賠償額の予定または違約金に関する事項
・瑕疵担保責任に関する事項など、取引の根幹となる取引条件に関する事項
・その取引の判断に重要な影響を及ぼす事項
・マンションの場合、一棟の建物またはその敷地に関する権利およびこれらの管理・使用に関する事項
ちなみに、重要事項説明の所要時間は
物件の種類により、だいたい30~60分くらいです。
■売買契約書
さて、重要事項説明がようやく終わり、
頭の中もだいぶ疲れてしまった頃ですが、
買主さまのみで重要事項説明を受けていた場合は、
ここでいよいよ、売主さま登場となり、
買主さまはより疲れに加え、緊張感が高まり大変ですが、
ここからが本番です。頑張って乗り切りましょう。
売買契約書は、重要事項説明と重複する部分もありますが、
この売買契約書に記載された条文が取引のすべてになりますから、
一字一句、目で追ってしっかり理解しましょう。
そして、わからりにくい言い回しの記載があったり
よくわからない場合は、その場で取引士に質問してください。
あとで聞こう、と思っていると絶対忘れるので
必ずその場で確認してください。
ちなみに、重要事項説明書や売買契約書は書面でのみ交付したり
単純に読み上げるだけではダメとされています。
取引士は売買契約の当事者に内容がわかるように説明する責務があるので
遠慮なく、ご質問くださいね。
■物件状況等報告書、付帯設備表の確認
「物件状況等報告書」とは、売主さまが買主さまへ引き継ぐべき情報や
物件について、あるいは近隣状況について売主さまが得ている情報を説明した書面です。
また、引渡し時に売主さまが持っていく、あるいは置いていく照明器具やカーテン、エアコンなど
明確にしておくための「付帯設備表」の内容を確認していきます。
売買契約書、物件状況等報告書などの確認まで
所要時間は概ね30分~50分です。
■記名と押印
ひとしきりの書類に、記名押印をします。
ちなみに、よく『実印が必要ですか?』との質問をいただくのですが
必ずしも実印である必要はございません。
認印でかまいませんが、大事な契約書で「かっこが付くから」という理由で
実印を押印する方もいらっしゃいます。
■手付金の支払い
最後に、手付金の支払いです。
手付金は売主さまにお渡しいただくものですので、仲介業者に渡さないようご注意ください。
売主さまは高額の現金を、慣れない手つきで数えますので時間がかかります。
その間は、静かにじっと待ちます。
沈黙に耐え切れず、話を振ってしまったりすると、数え直しになったりして
余計に時間がかかるので、ひたすら我慢です。
売主さまが手付金を数え終えたら、手付金の領収書を受け取ります。
領収書を受け取ったら、「引渡しまでの間引き続きよろしくお願いします」
とひとこと添えてあげるといいでしょう。
これでようやく、無事契約終了となります。
お疲れ様でした。
さて、いかがでしたでしょうか?
ご契約当日の流れがイメージできましたでしょうか?
上記の流れは特に問題がない場合ですが、
重要事項説明書や売買契約書に疑問点がある場合は、
さらに質問時間とそれに回答していただくための時間も必要となりますのでご注意ください。