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遺言書で危機一髪、実例「相続コラム11」

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本当に相続はドラマです。
先日あったご相談です。おじいちゃんが亡くなって、15年経ちます。公正証書遺言というものが出てきました。
相続の手続きを何もやっていないので、この際、手続きを始めようという事が家族で話し合われたそうです。

相続の手続きをしていないということは・・・おじいちゃん名義の銀行口座もそのまま、自宅や不動産の名義もそのままというわけです。

結構こういう方は多いのではないかと思います。



さて、公正証書遺言を拝見させていただき、自宅など不動産の手続きは司法書士に頼んで進むだろうと。。。

妻に2分の1、1代飛び越えて、孫に2分の1(本来法定相続人でない人に遺言で相続させることを遺贈といいます)
その分割方法でご家族皆さん納得していただいていました。
ただ・・・15年も経っていると、相続人(亡くなった方の資産を受け取る人)の一人でもある妻もすでに亡くなっていました。

なので・・・そのおばあちゃんの財産は、ひとり娘に相続される事になる。

と、まあ、少し複雑になりますが、ご家族間で話し合われ分割方法には全員が一致されている所がこの相続ではとてもよかったところです。


年内にご希望通り、片付くかなと安堵していた矢先、司法書士さんから連絡があり、
なんと15年前に亡くなったおじいちゃんには、前妻さんとその間にお子さんがいたのだそうです。
相続手続きには、戸籍をさかのぼってたどっていくので、それがわかるのです。

さて、この場合、どんな問題が考えられるでしょうか!?
子供は、親の相続には平等です。
前妻の子供であろうとです。


もし、公正証書遺言が無かったら・・・この時点で、前妻の子供さんにも相続の権利がありますので、探し当て・・・
被相続人(おじいちゃん)が亡くなった事、相続を執行したいことを伝え、権利を放棄してもらわないと今の自宅や不動産が、現在住んでいる家族の名義にならない可能性が大なのです。

仮に前妻の子供さんが亡くなっていたとしたら・・・
「代襲相続」といってその権利はその子供に引き継がれるので、そこも探しあてないとなりません。。。

仮に探しあてたとしても、権利を放棄してくれるかどうか。。。

そんな山積みの問題が、公正証書遺言で一発で解決したのです!!!
亡くなったおじいちゃん、実は亡くなる1か月前にそれを作りました。

15年経って、こんなに役に立っていると喜んでいただいているでしょうか。

遺言書の存在って、本当に本当に偉大なのですよ。
産れたからには、誰にでも訪れる「死」。
これを前向きに準備するのが「遺言」です。

相続診断士 田中より